詩・谷侑雄/絵・後藤グミ『どれも特別な一日』
2014/08/17
数々の写真詩集を刊行されている詩人・谷侑雄さんと、イラストレーター/漫画家・後藤グミさんの詩画集。
谷さんの文章は、驚きに満ちている。
普段誰もが使っている言葉なのに。
きっと、その着眼点と視点の移動順序、思考の反射が、我々が普段意識しない方を向いているからだ。
みんなが気がついていることを、谷さんの詩は「実はね」とそっと耳打ちをするように教えてくれる。
言葉で聞くと「そんなの知ってるよ」と口答えしてしまいたくもなるのだけれど……いやいや待てよ? 私は本当に銀杏の黄色が生まれるまでの寒い夜を知っていたか? 子供の世界の輝きを? 明日の意味は?
サンタクロースの正体はお父さんだっけ?
【名文】
みなさん
悲しいこと
苦しいこと
いろいろあるけれど
どれも大切な一日なんです
先生の
真剣な言葉を
笑った僕ら
今
その先生に
謝りたい
©谷川文屋
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